練習材料はレンタルと購入どちらが得か
この問いは「どちらが安いか」では決まりません。商品も時期も変わるうえ、試験が終わった後にその器具をどうするかで意味が変わるからです。ここでは金額を比べず、自分の条件でどちらに寄るかを整理します。
金額の比較を載せていない理由
練習材料の構成や取扱いは商品・年度によって変わります。当サイトで確かな一次情報を取れない数字を並べても判断の役に立たないため、価格の比較は行いません。金額は必ず販売元・貸出元の最新の表示でご確認ください。ここで扱うのは、金額以外の条件です。
先に決めるべき1つの質問
合格後、その器具を自分で使いますか。
これがほぼすべてを決めます。工具と器具は繰り返し使えるものなので、試験後も使うなら手元に残るほうに価値があり、二度と触らないなら手元に残ることは負担になります。順に見ていきます。
消耗品と再利用できるものは性質が違う
練習材料は一括りにされがちですが、中身は性質の違う2種類に分かれます。ここを分けて考えないと、レンタルと購入の比較そのものが噛み合いません。
| 種類 | 例 | 性質 | レンタルとの相性 |
|---|---|---|---|
| 消耗品 | VVFケーブル、VVRケーブル、圧着スリーブ、リングスリーブ、差込形コネクタ | 切る・かしめると元に戻らない。練習した回数だけ減る | 借りるという概念になじまない。使い切る前提 |
| 再利用できるもの | ランプレセプタクル、引掛シーリング、埋込連用器具、端子台、配線用遮断器 | 結線をほどけば何度でも使える。試験後も残る | 借りて返すことに意味がある部分 |
| 工具 | ペンチ、ドライバー、電工ナイフ、圧着工具、ワイヤストリッパー | 試験当日に自分で持参する。使用頻度が高い | 実務に就くなら自分のものを持つ意味が大きい |
つまりレンタルというのは、実際には「器具と工具を借りて、電線は使い切る」という組み合わせであることが多くなります。「全部を借りて全部を返す」わけではない、という点は理解しておいてください。実際の内訳は貸出元によって違うので、何が返却対象で何が使い切りかは申し込む前に確認する必要があります。
条件別の整理
レンタルが向きやすい人
- 試験に受かることが目的で、実務に就く予定がない。資格だけ取っておきたい、社内の要件を満たしたい、というケース。器具が手元に残っても使い道がありません。
- 保管場所がない。器具一式は思ったより体積があります。集合住宅で収納に余裕がないなら、返せることは実際の利点です。
- 短期集中で終わらせる予定がある。期限が決まっていることが、かえって練習の締め切りとして機能する人がいます。
- 使い終わったものを処分する手間を避けたい。器具の処分は、そのまま家庭ごみに出せるとは限らず、自治体の区分の確認が要ります。
購入が向きやすい人
- 合格後に電気工事の実務に就く予定がある。試験で使う器具は実務で扱うものと重なります。手元に残ることが練習後も生きます。
- 第一種を続けて受ける予定がある。上位資格の技能試験でも共通して使える器具や工具があります。一度買ったものを次の受験でも使えるなら、手元に残る意味が大きくなります。ただし課題の内容や必要な材料は資格・年度で違うので、そのまま全部が流用できるとは限りません。
- 自分のペースで長く練習したい。返却期限を気にせず進められます。仕事の繁閑で練習時間が読めない人には効きます。
- 不合格だった場合に、そのまま次に向かいたい。器具が手元にあれば、電線を買い足すだけで練習を続けられます。
- 家族や後輩が続けて受ける可能性がある。器具は人が変わっても使えます。
返却期限は先に確認しておく
レンタルを選ぶ場合、いつまでに返すのかと返せなかったらどうなるのかは申し込み前に確認してください。試験日と返却期限の関係、延長ができるか、破損・紛失した場合の扱いは、貸出元によって条件が違います。
特に気をつけたいのは、練習開始が遅れたときに期限が先に来るケースです。仕事の都合で手をつけられない期間があると、借りている間に練習できなかったということが起こり得ます。着手できる時期を見積もってから借りるほうが安全です。
自分に当てはめる順番
- そもそも買う・借りる必要があるかを確認する。職場で材料が手に入る人、器具が手元に残っている人は、どちらも要らないことがあります。→ 技能試験の練習材料は本当に必要か
- 合格後に器具を使うかを決める。使うなら購入寄り、使わないならレンタル寄り。
- 保管場所と処分の手間を見る。使う予定がなく置き場所もないなら、レンタルの利点がはっきりします。
- 練習できる期間を見積もる。期限内に手をつけられるかどうかで、レンタルの成立条件が決まります。
- 内訳と条件を確認して申し込む。返却対象・電線の回数・その年度の候補問題への対応・金額を、最新の表示で確かめてください。
比べるべきは金額ではなく条件
「どちらが安いか」は商品と時期で入れ替わります。一方で「合格後に使うか」「置き場所があるか」「期限内に練習できるか」は、自分の側の条件なので今すぐ確定できます。確定できるほうから決めるのが早道です。
ご利用にあたって
本ページは選び方の考え方を整理した参考情報です。価格・貸出条件・返却期限・商品構成は各販売元/貸出元の最新の表示をご確認ください。また、試験日程・候補問題・欠陥の判断基準・持ち込み可能な工具などの制度面は年度によって変わることがあるため、必ず
一般財団法人 電気技術者試験センター
の公式発表を原本として確認してください。本サイトは記載内容および利用によって生じた損害について責任を負いません。