単相3線式の不平衡率の計算
a線・b線それぞれの負荷電流を入れると、中性線に流れる電流と不平衡率がその場で出ます。なぜ中性線に電流が流れるのかまで含めて計算します。
この不平衡率は簡易的な目安です
ここでの不平衡率は「差 ÷ 大きい方の電流 × 100」という、電流だけで判断する簡易式です。内線規程などが定める正式な「設備不平衡率」は負荷設備容量[VA]を基準にした別の計算式で、上限値も規程によって異なります。設計の合否判定には、必ず内線規程の原本またはお勤め先の設計基準で確認してください。
なぜ中性線に電流が流れるのか
単相3線式は、電源から出る2本の電圧側電線(a線・b線)と、その中間の中性線の3本で100V・200Vの両方を取り出す配線方式です。a線と中性線の間、b線と中性線の間にそれぞれ100Vの負荷をつなぎます。
a線側の負荷とb線側の負荷の電流がまったく同じ(平衡している)なら、中性線には理論上電流が流れません。2つの負荷が中性線を挟んで打ち消し合うためです。しかし現場では両側の負荷が同じになることはまれで、その差分がそのまま中性線に流れます。
In = |Ia - Ib|
| 記号 | 意味 | 単位 |
|---|---|---|
| In | 中性線に流れる電流 | A |
| Ia | a線(電圧側)の負荷電流 | A |
| Ib | b線(電圧側)の負荷電流 | A |
この式は、a線とb線の負荷が同じ力率で中性線を共有する回路における一般的な考え方です。力率が大きく異なる負荷が混在する場合は、ベクトル的な計算が必要になり単純な差分では求まらない点に注意してください。
不平衡率とは
不平衡率は、2つの負荷電流がどれだけ偏っているかを表す割合です。ここでは分かりやすさを優先し、次の式で計算しています。
不平衡率[%]= |Ia-Ib| ÷ 大きい方の電流 × 100
この式なら、片側の負荷がゼロ(極端な不平衡)のとき100%、両側が完全に同じ(平衡)のとき0%になり、直感的に読み取れます。一方、内線規程が定める正式な「設備不平衡率」は電流ではなく負荷設備容量[VA]を基準にした別の式で、許容される上限値(施設の種類によって数十%の目安が示される)も規程側で定められています。この正式な判定が必要な設計では、必ず内線規程の原本を確認してください。本サイトは民間規格である内線規程の表そのものは掲載していません。
不平衡が大きいとどうなるか
- 中性線が細いと過熱するおそれがある — 中性線にも電流が流れる以上、太さの選定はb線・a線と同様に許容電流を満たす必要があります。
- 負荷側の電圧がずれる — 中性線の電圧降下が偏ると、軽い方の負荷の電圧が上がり、重い方の負荷の電圧が下がることがあります。
- 是正の基本は負荷の振り分け直し — 分電盤の回路を、a線側・b線側で消費電力が近くなるように組み替えるのが最も現実的な対策です。
あわせて確認すること
中性線を含めた電線サイズは許容電流と電線の太さで確認できます。分岐回路全体の選定は分岐回路の選定もあわせてご利用ください。
ご利用にあたって
本ツールの計算結果は参考値です。実際の設計・施工にあたっては、必ず電気工事士等の有資格者が、
電気設備の技術基準の解釈
をはじめとする根拠規程の原本で確認してください。本サイトは計算結果および利用によって生じた損害について責任を負いません。