ケーブルラックの許容積載
敷設するケーブルの単位重量と本数から合計重量を求め、ラックの許容積載荷重(メーカーカタログ値)に対する使用率を計算します。支持点間隔についても、電技解釈第164条の法令上限内かをあわせて判定します。
この計算は何をしているのか
ケーブルラックに複数本のケーブルを敷設すると、ラック1mあたりの重量(線荷重)がかかります。この重量がラックの許容積載荷重を超えると、たわみや損傷につながります。
まずケーブルごとに「単位重量[kg/m]×本数」を求めて合計し、ラック1mあたりの合計重量を出します。これをラックの許容積載荷重で割ったものが使用率です。
許容積載荷重はカタログ値を使う理由
ケーブルラックの許容積載荷重は、電気設備の技術基準の解釈(電技解釈)には数値の定めがありません。メーカーがラックの型式・材質・支持スパンごとに強度試験で定めている値であり、同じ幅・高さのラックでも支持スパンを長く取るほど許容積載荷重は小さくなります。そのため本ツールでは荷重の数値表を持たず、利用者が使用する製品のカタログから、採用する支持スパンに対応する値を確認して入力する方式にしています。
支持点間隔の法令上限(電技解釈第164条)
一方、支持点間隔(ケーブルを支持する間隔)には法令上の上限があります。電気設備の技術基準の解釈第164条(ケーブル工事)では、電線を造営材の下面又は側面に沿って取り付ける場合、支持点間の距離は次のとおり定められています。
| 取り付け条件 | 支持点間隔の上限 |
|---|---|
| ケーブル(一般) | 2m以下 |
| 接触防護措置を施した場所に垂直に取り付ける場合 | 6m以下 |
| キャブタイヤケーブル | 1m以下 |
この上限はケーブル工事としての法令要件であり、ラックの許容積載荷重とは別の制約です。積載荷重の観点では、メーカーが定める許容値がこの法令上限よりも厳しく(短いスパンを要求)なる場合があります。実際の支持スパンは、法令上限とメーカー許容値の両方を満たす、より小さい方の値で決める必要があります。
実務で見落としやすい点
- 単心ケーブルと多心ケーブルで単位重量が違う — 同じ導体断面積でも、単心を複数本並べる場合と多心ケーブル1本にまとめる場合とでは合計の単位重量が変わります。カタログの重量値がどちらの構成かを確認してください。
- 既設ケーブルの重量を見落としやすい — 既に敷設済みのラックに新しい回路を追加する場合、既設分の重量を合計に含め忘れると使用率を過小評価します。増設時は既設ケーブルも入力に含めて再計算してください。
- 接続金物・附属品の重量 — ケーブル自体の重量だけでなく、支持金具や標示板などの附属品もラックにかかる荷重に含まれる場合があります。厳密な設計ではカタログの注記も確認してください。
使用率に余裕を持たせる考え方
使用率が100%未満であっても、ぎりぎりでの設計は将来の増設余地を残しません。竣工時点の使用率を70〜80%程度までに抑えておくと、後年の回路追加や更新工事でラックの張り替えを避けやすくなります。余裕をどの程度見るかは現場・設計基準によって異なるため、社内基準や発注者の仕様書がある場合はそちらを優先してください。