需要率・負荷率・不等率の計算
需要家(または負荷グループ)ごとの設備容量・最大需要電力・平均需要電力と、全体の合成最大需要電力を入れると、需要率・負荷率・不等率・総合負荷率がまとめて出ます。使わない行は空欄のままで構いません。
平均需要電力は「電力量 ÷ 時間」で出します
1日の使用電力量が 720 kWh なら、平均需要電力は 720 ÷ 24 = 30 kW です。電力量[kWh]をそのまま入れないでください。
3つの率はそれぞれ何を見ているのか
電気設備は、つながっている機器が全部同時に最大出力で動くことはまずありません。そのため「設備容量の合計」で変圧器や幹線を選ぶと過大になります。需要率・負荷率・不等率は、設備容量と実際の使われ方の差を3つの角度から数字にしたものです。
需要率[%]= 最大需要電力 ÷ 設備容量 × 100
負荷率[%]= 平均需要電力 ÷ 最大需要電力 × 100
不等率 = 各需要家の最大需要電力の合計 ÷ 合成最大需要電力
総合負荷率[%]= 平均需要電力の合計 ÷ 合成最大需要電力 × 100
| 率 | 分子 | 分母 | 範囲 | 何がわかるか |
|---|---|---|---|---|
| 需要率 | 最大需要電力 | 設備容量 | 通常 1(100%)以下 | 設備のうち、ピーク時にどれだけ同時に使われるか |
| 負荷率 | 平均需要電力 | 最大需要電力 | 1(100%)以下 | ピークに対して、ふだんどれだけ平らに使っているか |
| 不等率 | 最大需要電力の合計 | 合成最大需要電力 | 1 以上 | 各需要家のピーク時刻がどれだけずれているか |
取り違えやすいところ
- 不等率だけは%にせず、1以上の数で表すのが一般的です。ピーク時刻がすべて同じなら 1、ずれるほど大きくなります。1 を下回ったら入力値のどこかが矛盾しています。
- 負荷率の分母は設備容量ではなく最大需要電力です。需要率と分母を取り違えるのが典型的な誤りです。
- 総合負荷率の分母は「最大需要電力の合計」ではなく「合成最大需要電力」です。平均需要電力は時刻がずれても足し算で合計できますが、最大値はずれるぶん単純には足せません。
検算の例
初期値の例で手計算すると次のとおりです。ツールの出力と一致します。
- 需要率:A = 60 ÷ 100 = 60%、B = 50 ÷ 80 = 62.5%
- 負荷率:A = 30 ÷ 60 = 50%、B = 20 ÷ 50 = 40%
- 不等率:(60 + 50) ÷ 100 = 1.10
- 総合負荷率:(30 + 20) ÷ 100 = 50%
どこで使うか
実務では、需要率は変圧器の容量選定や幹線の設計で「設備容量から最大需要電力を見積もる」ときに使います。不等率は、複数の建物や系統をまとめて1台の変圧器で受けるとき、容量を合計より小さくできる根拠になります。負荷率は、電力の使い方の平らさを見る指標で、ピークを下げる対策の効果を確かめるのに使われます。
いずれも電験三種の法規(電気施設管理)で計算問題として繰り返し出題されている定義です。どの値を施設ごとに採るべきかは用途・業種によって大きく異なり、法令で一律の数値が決まっているものではありません。本ツールは率の計算だけを行い、望ましい値の断定はしません。設計に使う値は、実測データやお勤め先の設計基準で確認してください。
あわせて使うツール
最大需要電力から変圧器の容量を出すなら変圧器の容量選定、kW と kVA・電流の換算は三相・単相の電力と電流、電力量から料金の目安を出すなら電力量と電気料金の概算をお使いください。
ご利用にあたって
本ツールの計算結果は参考値です。実際の設計・施工にあたっては、必ず電気工事士等の有資格者が、
電気設備の技術基準の解釈
をはじめとする根拠規程の原本で確認してください。本サイトは計算結果および利用によって生じた損害について責任を負いません。