第二種で買った材料・器具は第一種で使えるか

第二種電気工事士の技能試験のために揃えた工具や部材が、第一種の技能試験にもそのまま使えるのかは、続けて受験する人からよく出る疑問です。結論を先に言うと、工具はおおむね使い回せる一方、電線と接続部品は照合が必要です。このページは特定の年度の候補問題には触れず、「使い回せるか」を判断するための軸だけを整理します。

このページに候補問題の内容は書いていません 実際に何が支給されるかは受験する年度によって変わります。まず電気技術者試験センターが公表する第一種の候補問題と使用材料を確認し、以下の軸に沿って手持ちの品と照合してください。

結論を先に

持ち物使い回せるか
工具(ペンチ・ドライバー・圧着工具など)おおむね使える。太い電線・電線管に対応するかだけ確認
電線細いものは一部使える可能性。太さ・種類の照合が必要
接続部品(リングスリーブ・差込形コネクタ)電線に紐づくサイズなので、そのまま使えるとは限らない

なぜ第二種と第一種で扱う範囲が変わるのか

電気技術者試験センターは、技能試験が対象とする範囲をそれぞれ次のように説明しています。

区分技能試験の対象
第二種一般用電気工作物等の保安に関して必要な知識及び技能
第一種自家用電気工作物の保安に関して必要な知識及び技能

自家用電気工作物は、一般用電気工作物よりも規模の大きい建物・設備で使われる電気設備を指します。ここには三相の動力回路が含まれることが多く、第一種の技能試験で扱う電線の太さや種類の範囲が第二種より広がる一因になっています。ただし、実際にどの電線・器具が支給されるかは年度の候補問題で決まるため、ここから先の話は「対象範囲が広がる」という事実からの一般論にとどめます。

軸1:工具 ── おおむね使い回せる

第二種で使ったペンチ・ドライバー・電工ナイフ・ワイヤーストリッパー・リングスリーブ用の圧着工具は、第一種でも同じ用途で使えます。試験で使う工具の種類自体は、区分が変わっても大きくは変わりません。

確認しておきたい点は2つです。

持っている工具から不足だけを洗い出す考え方は技能試験で揃える工具の一覧に整理してあります。第二種向けに書いたページですが、判定の考え方はそのまま使えます。

軸2:電線 ── 太さと種類の照合が要る

第二種の技能試験は一般用電気工作物、つまり主に住宅の単相100V・200V回路を想定しているため、練習で使う電線も細い部類(1.6mm・2.0mmの単線や、それに相当するより線)が中心になります。第一種の技能試験では、これに加えて三相の動力回路や、より太い電線を扱う候補問題があります。

つまり判断はこうなります。

使い回せるかどうかは、自分が受験する年度の使用材料一覧と、手元にある電線の太さ・種類を照合しないと判断できません。必要な長さの計算は練習に必要な電線の長さで行えます。

軸3:接続部品 ── 電線に紐づくので流用しにくい

リングスリーブも差込形コネクタも、対応する電線の本数・太さの組み合わせでサイズが決まる部品です。第二種の練習で余ったからといって、第一種の候補問題に出てくる組み合わせに必ず合うとは限りません。

第二種と第一種で電線の太さが変われば、対応するリングスリーブの刻印(サイズ)も変わります。買い直す前に、まず候補問題の使用材料一覧で電線の太さと本数の組み合わせを確認し、手元の部品が同じ組み合わせに対応しているかを見てから判断してください。刻印と圧着の対応そのものは民間規格に基づくため、本サイトでは表を掲載していません。工具メーカーや試験センターが公表する資料で確認してください。

電線・接続部品が周回ごとに使い切りになる点は第一種でも変わりません。消耗品と再利用できるものの区分は2周目で材料が足りなくなる理由で整理しています。

判断の手順まとめ

  1. 電気技術者試験センターが公表する第一種の候補問題と使用材料一覧を確認する
  2. 手元にある第二種の工具・電線・部品を、太さ・種類・本数で照合する
  3. 一致する電線・部品だけを流用し、一致しないものは新たに用意する
  4. 工具は第一種特有の作業(電線管など)に対応しているかだけ確認する

この手順に沿えば、全部を買い直す必要も、全部を流用しようとして工程中に足りなくなる事態も避けやすくなります。

関連ページ
ご利用にあたって 本ページは第二種・第一種の技能試験で扱う範囲の一般的な違いを整理したもので、特定年度の候補問題・使用材料・欠陥の判断基準を示すものではありません。これらは年度により変わることがあるため、必ず 電気技術者試験センター が公表する最新の公式発表をご確認ください。本サイトは本ページの利用によって生じた結果について責任を負いません。