2周目で材料が足りなくなる理由
練習材料を1周ぶん買って、2周目の途中で電線が足りなくなる。これは準備の失敗ではなく、材料の性質からくる当然の結果です。何が消耗して何が残るのかを先に知っておけば、買い足す量を正しく見積もれます。
結論:消耗するのは3つだけ
| もの | 2周目に使えるか | 理由 |
|---|---|---|
| 電線(ケーブル) | 短くなる | 被覆を剥いだぶんと切り直したぶんだけ縮む |
| リングスリーブ | 使えない | 圧着で潰れて形が戻らない |
| 差込形コネクタ | 使えない | 内部のばねが電線を掴んで抜けない構造 |
| スイッチ・コンセント類 | 使える | ねじ・差込で外せる |
| ランプレセプタクル・引掛シーリング | 使える | 同上 |
| ボックス・端子台 | 使える | 同上 |
器具はほぼ全部残ります。つまり2周目以降に買うべきものは、電線と接続部品だけです。器具まで入ったセットをもう一度買うと、同じものが二重になります。
電線はどれだけ短くなるのか
1回の練習で、1本のケーブルは両端で被覆を剥がれます。作品をほどいて次に使うとき、剥いだ心線の部分は切り落とすことになるので、その長さだけ短くなります。接続をやり直した箇所があれば、さらに短くなります。
短くなる量は、剥ぐ長さと切り方によって人ごとに違います。一律の目安を示すことはできません。自分が1周終えたあとに実際の残りを測り、その値で2周目以降を見積もるのが確実です。
測った値を入れて必要量を出すには技能試験の練習に必要な電線の長さを使ってください。周回数と1本あたりの目減りを入れると、種別ごとの合計と、何巻買えばよいかが出ます。
リングスリーブが戻せない理由
リングスリーブは、電線を差し込んだうえで工具で押し潰し、金属を変形させて固定します。ねじで締めているわけではないので、緩める操作が存在しません。潰れた金属は元の形に戻らず、掴む力も失われます。
そのため周回数と同じ数だけ必要です。圧着をやり直した回数もそのまま加算されます。練習の初期は失敗が多いので、周回数より多めに見ておくほうが安全です。
なお、圧着に使う工具は柄が黄色のものです。似た形の裸圧着端子用(柄が赤)では刻印が違うため使えません。この区別は技能試験で揃える工具の一覧で説明しています。
差込形コネクタも同じです
差込形コネクタは、内部の金属ばねが電線に食い込んで抜けを止める構造です。抜くことを想定して作られていません。力ずくで抜こうとすると、電線の心線に傷が入るか、コネクタ側のばねが効かなくなります。
傷の入った心線を再び使うと、そこで折れることがあります。安く済ませようとして、結果的に電線を余計に消費します。
だから買い方はこうなります
- 1回目:器具・電線・接続部品がそろったセットを買う
- 2回目以降:電線とリングスリーブ、差込形コネクタだけを買い足す
器具の入っていない補充用の材料は、セットよりかなり安く手に入ります。3周する予定なら、最初からセット1つ+補充2回ぶんで組むのが一番無駄が出ません。
買う前に必要量を出しておいてください。足りずに追加注文すると、届くまで練習が止まります。試験直前は、この待ち時間が一番痛いです。
レンタルという選択肢
器具を手元に残す必要がない人には、器具をレンタルして電線だけ買う方法もあります。合格後に器具を使う予定がないなら、そのほうが総額は下がります。判断材料は技能試験の材料レンタルにまとめています。