配電線路の電力損失の計算

電線1線あたりの抵抗と負荷電流を入れると、電線で熱になって失われる電力[W]が出ます。単相3線式で負荷が偏っている(中性線に電流が流れる)場合も計算できます。

電線の電力損失(合計)

—W

中性線の電流
—
損失率
—
使用した式
—

いま計算している線路

入力に合わせて描き変わります。損失の大きい電線ほど太く描いています。電流が流れない電線は破線です。
抵抗は「1線あたり・片道」の値を入れてください 往復や全線の合計抵抗を入れると、損失が2倍・3倍に出ます。電線の長さと太さから抵抗を出すなら電線の抵抗と導体断面積で先に求めてください。

この計算は何をしているのか

電線には抵抗があるので、電流が流れると1本ごとに I²r [W]の電力が熱になって失われます(ジュールの法則)。配電線路全体の損失は、電流が流れている電線の本数ぶん、この I²r を足し合わせたものです。

電力損失 P = Σ(各電線の電流² × 1線の抵抗 r)
配線方式電流が流れる電線式
単相2線式行きと帰りの2本P = 2I²r
単相3線式(平衡)電圧線2本(中性線は0A)P = 2I²r
単相3線式(不平衡)電圧線2本+中性線P = Ia²r + Ib²r + (Ia−Ib)²r
三相3線式(平衡)3本とも同じ電流P = 3I²r

三相なのに「√3」ではなく「3」になる理由

電圧降下の式(電圧降下の計算)には √3 が出てきますが、電力損失は 3 です。電圧降下は「線間電圧がどれだけ下がるか」を見ているので相の関係(√3)が入りますが、損失は電線1本1本で発生する熱を数えるだけなので、同じ電流が流れる電線が3本あれば単純に3倍です。学科試験の計算問題で取り違えやすい箇所です。

単相3線式で負荷が偏ると損失が増える

a側とb側の負荷電流が同じなら中性線には電流が流れず、損失は電圧線2本ぶんで済みます。偏りがあると、差の電流 |Ia−Ib| が中性線に流れ、その分の損失が加わります。このツールは負荷がどちらも抵抗負荷(力率が等しい)として、中性線電流を電流の差で求めています。力率の異なる負荷が混在する場合は、ベクトルで合成する必要があるため結果は目安です。

偏りの程度そのものを確認するなら単相3線式の不平衡率の計算を使ってください。

検算の例

単相3線式、1線の抵抗 0.1Ω、負荷電流が両側とも 15A のとき:15² × 0.1 × 2 = 45W。同じ条件で a側20A・b側10A に偏ると:20²×0.1 + 10²×0.1 + (20−10)²×0.1 = 40 + 10 + 10 = 60W。合計の電流は同じでも、偏るだけで損失が増えることがわかります。

損失を減らす打ち手

あわせて確認すること 損失が小さくても、電線の許容電流を満たしているとは限りません。電力・電力量の計算問題の全体像は学科試験の計算問題の解き方にまとめています。
ご利用にあたって 本ツールの計算結果は参考値です。実際の設計・施工にあたっては、必ず電気工事士等の有資格者が、 電気設備の技術基準の解釈 をはじめとする根拠規程の原本で確認してください。本サイトは計算結果および利用によって生じた損害について責任を負いません。